薬物依存の治療は「街の薬局」で
出勤前にスーツ姿で薬局を訪れ、メサドン塩酸塩を服用して仕事へ向かう──。オーストラリアのコミュニティ薬局で、私はそんな患者たちとも接してきました。 日本にいた頃も、薬物依存について学ぶ機会はありました。しかし、治療を受けている患者と日常業務で継続的に関わる機会は、少なくとも私にはありませんでした。どこか、自分の仕事からは遠い問題だと思っていたのです。 その距離は、オーストラリアで働くようになって大きく縮まりました。薬を渡す手が震えた日もあれば、患者の行動にショックを受けた日もあります。それでも、毎日のように顔を合わせる中で、「依存症の患者」に対する私の見方は変わっていきまし
日経メディカル
2026年11月04日 15:00